実績(9) 製品をドイツの事務所まで
YAでは、これまでにも海外の特許庁や特許事務所への訪問を繰り返しています。
手紙やFAXによる文書での申請を前提にしている事務所が多い中で、YAは一線を画しているということを、今回ドイツの特許事務所を訪ねた例でご紹介します。
ヨーロッパへの特許出願の方法
ヨーロッパの国々へ特許を出願する場合は、まずドイツ・ミュンヘンにあるヨーロッパ特許庁へ出願します。
日本から直接にヨーロッパ特許庁へ出願できるわけではなく、必ず現地の代理人(特許事務所)を通します。
ヨーロッパ特許庁は、以前は14カ国が加盟していました。
現在は旧ソ連から独立したキルギスタン、トルキスタンなどが増えて、18〜20カ国になっています。
ヨーロッパ特許庁は出願された特許をいわば代表して受け付けます。
ここで受付け日を確保しておき、それから各国で審査される仕組みになっています。
YAの海外出願のスタンス
海外の代理人がきちんと発明の内容を理解できないために、せっかく出願した発明が却下されるというようなことは、最悪の事態で絶対に避けるべきです。
通常は手紙、FAXなど文書でのやり取りをしている特許事務所が多いですが、YAは違います。
例えば今回は、明細書をあらかじめ作成した上で、クライアントからお預かりした実物をドイツまで持って行きました。
その構造を代理人の目の前で実際に動かして見せながら、説明をしてゆきます。
こうすれば、理解してもらうのに文書よりもはるかに効果的です。
特に、今回の発明は技術的に大変高度なものなので、これは大きなメリットです。
更に、その場で質疑応答ができるので、ますます理解を助けることになりました。
また、現地の代理人と直接話し合いの場を持ったことで、逆にこちら側にも大きな収穫がありました。
例えば、ヨーロッパの国々では言語の問題から明細書の書き方などが微妙に違う、ということを実感したことなどです。
今後に活かしたい点
特許の世界では今、ハーモニゼーションということが言われています。
国際化がこれだけ進んだ中で、「特許に関して、世界のどこでも共通にしてゆこう」というのがハ−モニゼーションです。
しかし、まだまだ世界は一つではない、というのが今回の印象でした。
国の事情や特許制度の違い、または国と国との間の利益の衝突など、特許への考え方は様々です。
その国に応じた業務をしてゆくべきだと痛感しました。
だからこそ、YAではサンプルやビデオを持って、米国、ヨーロッパ特許庁や特許事務所を頻繁に訪問しています。